訪問ありがとうございます。マリナ(@MAppel_job)です。
フィンランド語には「格変化」というものがあるそうで。格変化とは一体どういったものでしょうか。
今回は「フィンランド語の格変化」について書きます。
格変化とは何か
まず、格変化そのものについて書いていきますね。Wikipediaから引用します。
格変化(かくへんか、case inflection)とは、格の区別を表す、名詞、形容詞、限定詞などの語形変化のことである。
格変化 – Wikipedia
難しいですが、私の言葉で簡単に説明します。
格変化とは「文章中の、名詞や代名詞や形容詞が『文章中でどういった役割で使われるか』によって、その形が変化する」ということかなと。
それでは「フィンランド語の格変化」について書きます。
フィンランド語の格変化の種類
フィンランド語の格変化の種類は、15種類あります。
主格・属格・対格・分格・様格・変格・内格・出格・入格・接格・向格・奪格・欠格・共格・具格
ですね。
そして、さらにフィンランド語には「単数・複数」の区別があります。
なので、全部で「28の格変化」があるというわけですね。(共格と具格は複数形にしかないため)
そのうち対格は2つに分けられるようですが、1つとして数えました。対格は、主格と属格と同じ変化をするみたいです。
フィンランド語 - Wikipedia
※「文法」の部分に、格変化の表があります。
下の表がわかりやすいです。
フィンランド語の名詞の格変化
※こちらの表では「対格」が省略されています。
それぞれを覚えるのは大変ですが、フィンランド語では、とても重要な文法ルールの1つなのです。
しかし、やはりフィンランド語ネイティブでない限り、格変化を利用するのは難しそうです。
格変化は「動詞とセットで使う」と使いやすいかもしれません。
では、1つずつ見ていきましょう。
主格について
まずは「主格」です。主格は「基本形」ともされています。他の格と違い、変化はありません。複数形に “-t” が付きます。
上の表ですと “talo”, “talot” ですね。
talo(主格単数形)
talot(主格複数形)
意味としては “talo, talot : 家は” といった感じです。
Talo on tällä. : (1つの)家がある。
Talot ovat tällä. : (複数の)家がある。
属格について
次に「属格」です。属格は、所有を表します。日本語ですと「~の」と訳されることが多いようです。
上の表ですと “talon, talojen” ですね。
talon(属格単数形)
talon(属格複数形)
talon katto : (1つの)家の屋根
talojen kattot : (複数の)家の屋根
対格について
次に「対格」です。対格は先ほども言った通り、主格と属格と形は変わりません。
対格の他に「目的格」「業格」とも言われています。つまり、目的語のような存在のようですね。
対格は、物の全体を表します。
日本語ですと「~を」といった感じになります。
Minulla on talo. : 私には(1つの)家がある。
Minulla on nämä talot. : 私にはこれらの家がある。
分格について
次に「分格」です。分格は、物の一部分を表します。牛乳や水などによく使われている感じです。また、否定文の目的語にも使われています。
上の表ですと “taloa, taloja” ですね。
taloa(分格単数形)
taloja(分格複数形)
Minulla ei ole taloa. : 私には(1つの)家がない。
Minulla ei ole näitä taloja. : 私にはこれらの家はない。
“talo” → “taloja” と、taloが分格複数形になっていますね。
そして “nämä → näitä” と、nämäも分格複数形になっています。
フィンランド語では、代名詞や形容詞も名詞の格に合わせる必要があるようです。
ややこしいのですが、フィンランド語は「複数形で数がいくつかわかる場合」は「分格単数形」を使います。
Minulla on kaksi taloa. : 私には家が2つある。
様格について
次に「様格」です。様格は「~として」や「~のときに」を表しています。
上の表ですと “talona, taloina” ですね。
talona(様格単数形)
talonia(単数形)
Se toimii talona. : (1つの)家として機能する
Nämä toimivat taloina. : (複数の)家として機能する
変格について
次に「変格」です。変格は「~になる」「~に変わる」をあらわしています。
上の表ですと “taloksi, taloiksi” ですね。
taloksi(変格単数形)
taloiksi(変格複数形)
taloで、いい例が思いつかなかったので “suomi” を使いますね。
Kirjoitan kirjeen suomeksi. : 私はフィンランド語で手紙を書く。
「~語で」を表すときに使われます。
suomi → suomeksi : フィンランド語で
内格について
次に「内格」です。内格は「~の中で」を表します。
上の表ですと “talossa, taloissa” ですね。
talossa(内格単数形)
taloissa(内格複数形)
Minä olen talossa. : 私は家にいる。
Me olemme näissä taloissa. : 私たちは、これらの家にいる。
“nämä → näissä”, “talo → taloissa” となっていますね。
出格について
次に「出格」です。出格は「~の中から」を表します。入格と対になります。
上の表ですと “talosta, taloista” ですね。
talosta(出格単数形)
taloista(出格複数形)
Minä menen kouluun talosta. : 私は家から学校へ行く。
Me menemme kouluun näistä taloista. : 私たちはこれらの家から学校へ行く。
“nämä → näistä”, “talo → taloista” になっています。
入格について
次に「入格」です。入格は「の中へ」を表します。出格と対になります。
上の表ですと “taloon, taloihin” ですね。
taloon(入格単数形)
taloihin(入格複数形)
Minä menen taloon. : 私は家に行く。
Me menemme näihin taloihin. : 私たちはこれらの家に行く。
“nämä → näihin”, “talo → taloihin” と変わってますね。
接格について
次に「接格」です。接格は「~の外で」を表します。先ほどの、内格が「内側」だったのに対して、接格は「外側」になります。
上の表ですと “talolla, taloilla” ですね。
talolla(接格単数形)
taloilla(接格複数形)
taloでいい文章が思いつかなかったので “pöytä : 机” を使います。
Kissani on pöydällä. : 私の猫は机の上にいる。
Kissani ovat näillä pöydillä. : 私の猫達は、これらの机の上にいる。
“nämä → näillä”, “pöytä → pöydillä” になっています。
向格について
次に「向格」です。向格は、日本語でいう「~へ」「~まで」ですね。奪格と対になります。
上の表ですと “talolle, taloille” ですね。
talolle(向格単数形)
taloille(向格複数形)
※文章は思いつきませんでした。
奪格について
次に「奪格」です。日本語ですと「~から」「~より」を表します。向格と対になります。
上の表ですと “talolta, taloilta” ですね。
talolta(奪格単数形)
taloilta(奪格複数形)
※文章は思いつきませんでした。
欠格について
次に「欠格」です。日本語ですと「~なしで」を表します。
上の表ですと “talotta, taloitta” ですね。
talotta(欠格単数形)
taloitta(欠格複数形)
ですが、Wikipediaの欠格のページにこのように書かれています。
一般に欠格の代わりには”ilman+分格”の形が普通
欠格 (言語学) – Wikipedia
“ilman : ~なしで” と言いますね。英語ですと “without” です。
Minä asun ilman taloa. : 私は家なしで暮らす。
Me asumme ilman näitä taloja. : 私たちは、これらの家なしで暮らす。
“nämä → näitä”, “talo → taloja” になっていますね。
共格について
次に「共格」です。共格は「誰かと一緒に行動するときの相手」を表します。これは、複数形にしかありません。
上の表ですと “taloine” ですね。
taloine(共格複数形)
※文章は思いつきませんでした。
具格について
最後に「具格」です。具格は「道具・手段」を表します。具格も、共格のように複数形にしかありません。
上の表ですと “taloin” ですね。
taloin(具格複数形)
※文章は思いつきませんでした。
まとめ
今回は「フィンランド語の格変化」について書きました。フィンランド語の格変化は覚えるのは大変でしょう。
新しい動詞が出る度に、覚えなければいけないのも大変ですね。
他にも、フィンランド語のルールについて書いた記事がありますので、興味のある方はこちらもご覧ください。
読んでいただき、ありがとうございました。他の記事もお読みいただけると嬉しいです。