訪問ありがとうございます。マリナ(@MAppel_job)です。
英語にもフィンランド語にも、日本人にとってややこしい文法ルールがありますね。
今回は、それぞれのタイプの動詞を使って「フィンランド語の現在形否定文について」書いていきます。
フィンランド語の現在形否定文について
英語と違い、フィンランド語の現在形否定文の形は少し変わっています。なぜかといいますと、英語でいう “not” の部分が大きく変わるからですね。
フィンランド語の否定文の作り方
最初に、フィンランド語の否定文の作り方を説明します。この説明がないと、現在形も過去形も否定文を作ることができません。
先ほども言いましたように、フィンランド語では “not” が変化します。
ei : いいえ(not)
英語ですと「be動詞の場合は “be動詞 + not” となる」か「一般動詞の場合は “do(does) + not” 」の2パターンありますね。
しかし、フィンランド語では1パターンになります。ですが、慣れるまでは少し大変かもしれません。
なぜならば、この “ei” 自体が代名詞ごとに変化する必要があるからですね。
en : 私は~でない | emme : 私たちは~でない |
et : 私は~でない | ette : あなたたちは~でない |
ei : 彼は~でない | eivät : 彼らは~でない |
上の表のとおりになりますが、代名詞「彼」は基本形の “ei” と変わらないので楽ですね。代名詞「彼ら」も母音調和を考えなくて大丈夫です。
母音調和とは、単語内で似たような母音を使うことですね。
この “ei” を、動詞の語幹(現在形肯定で作られた)の前につければ、現在形否定文を作ることができます。
フィンランド語の動詞 -タイプ1- の現在形否定文
それでは、フィンランド語のタイプ1の動詞 “puhua” を使った現在形否定文を説明します。
puhua : 話す
否定文を作るには、最初に動詞の語幹を作ります。”puhua” の場合は、最後の “a” を取るだけですね。
puhua → puhu
これで語幹はOKです。先ほどの、代名詞ごとに変化させた “ei” を動詞の前につけるだけで、否定文を作ることができます。
この点は、英語と変わりない(否定語を動詞の前に置くこと)ようですね。
人称代名詞につきましては、こちらの記事で説明しています。
Minä en puhu : 私は話さない | Me emme puhu : 私たちは話さない |
Sinä et puhu : あなたは話さない | Te ette puhu : あなたたちは話さない |
Hän ei puhu : 彼は話さない | He eivät puhu : 彼らは話さない |
たとえば 「私は日本語を話さない。」 という場合はこうなりますね。
Minä en puhu japania. : 私は日本語を話さない。
“japani : 日本語” が、格変化の分格になっています。
格変化とは、名詞や形容詞が文章の中でどのように使われるかによって、その名詞や形容詞の形が変わるということですね。
japani → japania
英語と比較します。
Minä en puhu japania. : I don’t speak Japanese.
フィンランド語の動詞 -タイプ2- の現在形否定文
次に、フィンランド語の動詞 -タイプ2- の “juoda” の現在形否定文の説明をします。
juoda : 飲む
否定文を作るために “juoda” の語幹を作ります。この場合は “-da” を取るだけでOKですね。
juoda → juo
そして、動詞の前に “ei” をつけます。
Minä en juo : 私は飲まない | Me emme juo : 私たちは飲まない |
Sinä et juo : あなたは飲まない | Te ette juo : あなたたちは飲まない |
Hän ei juo : 彼は飲まない | He eivät juo : 彼らは飲まない |
たとえば 「あなたは牛乳を飲まない。」 という場合はこうなりますね。
Sinä et juo maitoa. : あなたは牛乳を飲まない。
“maito : 牛乳” が、格変化の分格になっています。
maito → maitoa
英語と比較します。
Sinä et juo maitoa. : You don’t drink milk.
フィンランド語の動詞 -タイプ3- の現在形否定文
次に、フィンランド語の動詞 -タイプ3- の “mennä” の現在形否定文の説明をします。
mennä : 行く
まず “mennä” の語幹を作ります。手順は下のとおりです。
mennä → men
men → mene
動詞の前に “ei” をつけますね。
Minä en mene : 私は行かない | Me emme mene : 私たちは行かない |
Sinä et mene : あなたは行かない | Te ette mene: あなたたちは行かない |
Hän ei mene : 彼は行かない | He eivät mene : 彼らは行かない |
たとえば 「彼はフィンランドへ行かない。」 という場合はこうなりますね。
Hän ei mene Suomeen. : 彼はフィンランドへ行かない。
“Suomi : フィンランド” が格変化の入格になっています。
英語と比較します。
Hän ei mene Suomeen. : He don’t go to Finland.
フィンランド語の動詞 -タイプ4- の現在形否定文
次に、フィンランド語の動詞 -タイプ4- の動詞 “haluta” の現在形否定文の説明をします。
haluta : ~がほしい、~がしたい
まず “haluta” の語幹を作りますね。手順は下のとおりです。
haluta → halu
halu → halua
動詞の前に “ei” をつけます。
Minä en halua : 私は~がほしくない | Me emme halua : 私たちは~がほしくない |
Sinä et halua : あなたは~がほしくない | Te ette halua : あなたたちは~がほしくない |
Hän ei halua : 彼は~がほしくない | He eivät halua : 彼らは~がほしくない |
たとえば 「私たちは本がほしくない。」 という場合はこうなります。
Me emme halua kirjoja. : 私たちは本がほしくない。
“kirja : 本” は、否定文のために格変化の分格になっています。主語が「私たちは」なので、複数形にしました。
英語と比較します。
Me emme halua kirjoja. : We don’t want some books.
フィンランド語の動詞 -タイプ5- の現在形否定文
次に、フィンランド語の動詞 -タイプ5- の “tarvita” の現在形否定文の説明をします。
tarvita : ~が必要だ
まず、動詞の語幹を求めます。手順は下のとおりです。
tarvita → tarvit
tarvit → tarvitse
そして、動詞の前に “ei” をつけます。
Minä en tarvitse : 私は~が必要ではない | Me emme tarvitse : 私たちは~が必要ではない |
Sinä et tarvitse : あなたは~が必要ではない | Te ette tarvitse : あなたたちは~が必要ではない |
Hän ei tarvitse : 彼は~が必要ではない | He eivät tarvitse : 彼らは~が必要ではない |
たとえば 「あなたたちは写真が必要ではない。」 という場合はこうなりますね。
Te ette tarvitse kuvia. : あなたたちは写真が必要ではない。
“kuva : 写真” が、否定文のために格変化の分格になっています。主語が「あなたたちは」なので、複数形にしました。
英語と比較します。
Te ette tarvitse kuvia. : You don’t need some pictures.
フィンランド語の動詞 -タイプ6- の現在形否定文
次に、フィンランド語の動詞 -タイプ6- の “tarketa” の現在形否定文の説明をします。
tarketa : とがらせる、見る
まず、語幹を求めますね。手順は下のとおりです。
tarketa → tarke
tarke → tarkene
tarkene → tarkkene
そして、動詞の前に “ei” をつけます。
Minä en tarkkene : 私は見ない | Me emme tarkkene : 私たちは見ない |
Sinä et tarkkene : あなたは見ない | Te ette tarkkene : あなたたちは見ない |
Hän ei tarkkene : 彼は見ない | He eivät tarkkene : 彼らは見ない |
たとえば 「彼らは木を見ない。」 という場合はこうなりますね。
He eivät tarkkene puuta. : 彼らは木を見ない。
“puu : 木” が、格変化の分格の形になっています。
英語と比較します。
He eivät tarkkene puuta. : They don’t observe wood.
まとめ
今回は「フィンランド語の動詞の現在形否定文について」書きました。否定文を作るには “ei” の形を代名詞ごとに変える必要がありました。
動詞を語幹に変えるやり方も、現在形肯定文がわかればよさそうです。
※今回はこちらの本を参考にしました。
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読んでいただき、ありがとうございました。他のフィンランド語の記事でも、このような動詞の使い方を紹介しています。お読みいただけると嬉しいです。