訪問ありがとうございます。マリナ(@MAppel_job)です。
これは、国名だけではなく、日本の都道府県にも言えることです。もちろんアメリカの州なんかにも言えますが、今回は日本の都道府県のみの説明にしますね。
それでは「国名や都道府県名に現れるフィンランド語の格変化」について書いていきます。
フィンランド語では国名や都道府県に「属格」が使われる
フィンランド語の場合、国名や都道府県名を書くときに格変化を使います。格変化とは、名詞や形容詞が文章の中でどのように使われるかによって、その名詞や形容詞の形が変わるということですね。
先ほども言ったとおり「共和国」「王国」「県」などがついた場合のみ格変化が起こるようです。
国名や都道府県名につく格変化は「属格」という種類の格変化です。属格は、日本語でいう「〜の」という意味で使われることがあります。
フィンランド語の属格はこのような形で成り立っています。
単数形は「名詞(形容詞) + n」、複数形は「名詞(形容詞) + (j)en」
それでは、国名と都道府県を例に見ていきましょう。
国名に現れるフィンランド語の属格
まずは、国名から書いていきますね。今回は「イギリス」「アメリカ」「韓国」で説明したいと思います。
イギリスの場合
では、イギリス(正式名称)で確認したいと思います。
Ison-Britannian ja Pohjois-Irlannin yhdistynyt kuningaskunta
: グレートブリテン及び北アイルランド連合王国
改めてみると、日本語と語順が一緒ですね。
この “Ison-Britannian” と “Irlannin” の部分が、属格になっています。全てが属格になっているわけではないようです。
- iso → ison
- britannia → britannian
- irlanti → irlannin
最後の “irlanti” は、子音階程交替をしています。
子音階程交替とは、単語をある形に変化させるときに、その単語の最後らへんの子音が変わることです。
英語と比較します。
Ison-Britannian ja Pohjois-Irlannin yhdistynyt kuningaskunta
: United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland
感覚的に「英語の “of” の部分が、フィンランド語の属格になるのか。」と思っていたんですが、違ったみたいですね。
属格になるのは、後ろの部分に “yhdistynyt kuningaskunta : 連合王国” がついているからです。
ちなみに、地名の場合は属格の複数形は使われません。
Pohjois-Irlanti - Wiktionary
アメリカの場合
次にアメリカです。こちらも正式名称で考えましょう。
Amerikan yhdysvallat : アメリカ合衆国
こちらは、とてもシンプルな形ですね。属格も1つだけです。
amerika → amerikan
英語と比較します。
Amerikan yhdysvallat : United States of America
こちらも、英語に “of” がついていますが “yhdysvallat(合衆国)” がついているために、フィンランド語では属格になっています。
韓国の場合
韓国の正式名称も見てみましょう。
Korean tasavalta : 大韓民国
これも、属格になっているのは1つだけです。
korea → korean
英語と比較します。
Korean tasavalta : Republic of Korea
ここでも “of” は、無視する感じですね。正確には無視してないと思いますが。
これまで3か国を、フィンランド語、日本語、英語で比べてきました。どうやら、ここでのフィンランド語の属格は、日本語の感覚に近い気がしてきました。
たまたまフィンランド語と、日本語の語順が似ているからですが。
都道府県に現れるフィンランド語の属格
それでは、日本の都道府県にもスポットを当ててみましょう。今回は「東京」「大阪」の2つに絞って調べます。といっても、2つとも同じですが。
2つとも “prefektuuri” を使いますね。
Tokion prefektuuri : 東京都
osakan prefektuuri : 大阪府
ただし、東京の場合、単に “Tokio” と表したり “Tokion metropoli” とも表されるようです。
Tokio – Wikipedia
東京のフィンランド語が “Tokyo” ではなく “Tokio” となっているのは母音調和のためですね。
母音調和とは、単語内で似たような母音を使うことです。
まとめ
今回は 「国名や都道府県名に現れるフィンランド語の格変化」について書きました。「○○国」という部分がつくと、フィンランド語では国名に属格がつくのですね。
日本の都道府県にも、そのルールが当てはまっていました。今回の形で属格を使うことはあまりなさそうですが。
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