フィンランド語の動詞-タイプ1(二重母音で終わる動詞)-

フィンランド語

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フィンランド語の動詞は、英語とは違い代名詞ごとに形が変わるといった複雑なところがあります。

そんなフィンランド語の動詞は、大きく分けて6種類のタイプに分けることができます。今回は「フィンランド語の動詞-タイプ1の動詞-」を説明しますね。

他の動詞のタイプをご覧になりたい方は、こちらのまとめからお願いします。

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フィンランド語の動詞-タイプ1の動詞-とは

それでは、最初に「フィンランド語の動詞-タイプ1の動詞-の構造」について説明します。タイプ1の動詞は、最後が2重母音で終わるといった形でできています。

たとえば “puhua”“kysyä” のような動詞のことですね。

また、このタイプの動詞では、彼/彼ら以外の代名詞の場合子音階程交替しいんかいていこうたい弱階程じゃくかいていが使われます。

子音階程交替とは、単語をある形に変化させるときに、その単語の最後らへんの子音が変わることです。

たとえば “opettaa”“näkyä” のような動詞のことですね。

フィンランド語の動詞-タイプ1の動詞-の現在形の作り方

次に、タイプ1の動詞を活用してみたいと思います。今回は、現在形肯定のみの形を使いますね。先ほど紹介した4つの動詞を使います。

“puhua” の場合

puhuaの意味は「話す」ですね。英語だと “speak” です。

puhuaを、現在形に活用するには、まず1番後ろの “a” を取ります。

puhua → puhu

基本の形はこれだけですね。あとは、代名詞ごとに違った語尾を加えるだけです。ちなみに、代名詞ごとの語尾は下の表のとおりです。

-n(私は)-mme(私たちは)
-t(あなたは)-tte(あなたたちは)
最後の母音が繰り返される(彼は)-vat / -vät(彼らは)
フィンランド語の動詞の語尾

これを “puhu” にくっつけます。

人称代名詞につきましては、こちらの記事で説明しています。

Minä puhun : 私は話すMe puhumme : 私たちは話す
Sinä puhut : あなたは話すTe puhutte : あなたたちは話す
Hän puhuu : 彼は話すHe puhuvat : 彼らは話す
puhuaの現在形肯定文の活用

代名詞「彼」が “puhuu” となってるのは “puhu” の最後が “u” で終わってるからですね。

これが “-a” ですと “-aa” となります。

-a → -aa-u → -uu
-e → -ee-y → -yy
-i → -ii-ä → -ää
-o → -oo-ö → -öö
代名詞「彼」のときのフィンランド語の動詞-タイプ1-の語尾

代名詞「彼ら」が “puhuvat” となってるのは、母音調和ぼいんちょうわが鍵となっています。母音調和とは、単語内で似たような母音を使うことです。

“puhu” の母音は “a, o, u” のグループに分けられるので “-vat” が使われているのですね。

“kysyä” の場合

kysyäの意味は「尋ねる」ですね。英語だと “ask” です。

kysyäを現在形にするには、まず後ろの “-ä” を取ります。

kysyä → kysy

次に、代名詞ごとに異なる語尾をつけます。

Minä kysyn : 私は尋ねるMe kysymme : 私たちは尋ねる
Sinä kysyt : あなたは尋ねるTe kysytte : あなたたちは尋ねる
Hän kysyy : 彼は尋ねるHe kysyvät : 彼らは尋ねる
kysyäの現在形肯定

代名詞「彼」が “kysyy” となってるのは “kysy” の最後が “y” で終わってるからです。

代名詞「彼ら」が “kysyvät” となってるのは “kysy” の母音は “ä, ö, y” のグループに分けられるので “-vät” が使われていますね。

“opettaa” の場合

opettaaの意味は「教える」です。英語だと “teach” ですね。

opettaaを現在形にするには、まず後ろの “a” を取ります。

opettaa → opetta

次に、語尾をつけたいところなのですが “opetta” の最後の子音が “tt” となってるので “t” にします。

opetta → opeta

最後に語尾をつけますね。

Minä opetan : 私は教えるMe opetamme : 私たちは教える
Sinä opetat : あなたは教えるTe opetatte : あなたたちは教える
Hän opettaa : 彼は教えるHe opettavat : 彼らは教える
opettaaの現在形肯

彼 / 彼らの場合、子音階程交替の弱階程は起こらないので、語幹は “opetta” のままです。

そのため、opettaaの基本形と、代名詞「彼」の現在肯定の形は同じになりますね。

また、代名詞「彼ら」が “opettavat” となってるのは “opetta” の母音が “a, o, u” のグループに分けられるため “-vat” が使われています。

“näkyä” の場合

näkyäの意味は「現れる」です。英語だと “show, appear” という意味ですね。

näkyäを現在形にするには、最後の “ä” を取ります。

näkyä → näky

この “näky” も、子音階程交替の弱階程が起こります。この場合は “k” が消えますね。

näky → näy

ただし、彼 / 彼らのときは、子音階程交替の弱階程は起こりません。

Minä näyn : 私は現れるMe näymme : 私たちは現れる
Sinä näyt : あなたは現れるTe näytte : あなたたちは現れる
Hän näkyy : 彼は現れるHe näkyvät : 彼らは現れる
näkyäの現在形肯定

代名詞「彼」が “näkyy” となっているのは “näky” の最後が “y” となっているからですね。

代名詞「彼ら」が “näkyvät” となっているのは “näky” の母音が “ä, ö, y” のグループに分けられているからです。

まとめ

今回は「フィンランド語の動詞-タイプ1の動詞-」について説明しました。このタイプの動詞が、フィンランド語ではよくあるそうです。

なので「タイプ1」と表されるのでしょうね。

※今回もWiktionaryを参考にしました。

Wiktionary, the free dictionary

※今回はこちらの本を参考にしました。

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読んでいただき、ありがとうございました。他のフィンランド語の記事でも、このような動詞の使い方を紹介しています。お読みいただけると嬉しいです。

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